グランド・セフト・オートIV | |
---|---|
開発主 | Rockstar North |
発売元 | Rockstar Games |
対応機種 | PS3、PC、Xbox |
発売日 | 2008年10月30日 |
ジャンル | アクション |
価格 | 通常版:7990円(税抜)[参考 1] ベスト版:3800円(税抜き)[参考 2] |
『グランド・セフト・オートIV』(グランドセフトオートフォー,Grand Theft Auto IV) は、Xbox 360、プレイステーション3、Microsoft Windows用として発売されたオープンワールド型クライムアクションゲームである。日本ではカプコンより発売された。
概要[]
シリーズ第11作目となるフランチャイズ作の物語の舞台は自社技術のRAGEによって再構築された2008年のリバティーシティ。『GTAIII』、『GTALCS』、『GTA Adv』、『GTASA』、『GTA(初代)』でも登場した都市が舞台となるが、本作は『GTAIII』シリーズとは別の世界観にあたる。
主人公は旧ユーゴスラビア(現セルビアほか6か国)出身の男性、ニコ・ベリック。
ストーリー[]
過去の出来事によりとても良いとは言えない人生を送っていた主人公ニコ・ベリックは、リバティーシティにいる従兄弟のローマンから度々メールや手紙を受けとっていた。スポーツカー、豪邸、女、金、アメリカンドリームの中で暮らしてる、そんなローマンの話を聞いたニコはリバティーシティでなら自分の暗い過去を捨ててやり直すことができるのではないかと思い、リバティーシティのローマンを訪れる。
しかし聞いていた話とは裏腹にローマンの生活は借金とトラブルまみれで、アメリカンドリームとはかけ離れた生活だった。ニコはそんなローマンと共に、本当にアメリカンドリームを実現し、リバティーシティで自分の過去を清算しようと動き始める。
舞台[]
本作では過去のシリーズに出てきたリバティーシティが一新され、実際のニューヨークの地理に基づき4つの地域に分割されたリバティーシティが舞台となる。ブローカーはブルックリン、デュークスはクイーンズ、ボーハンはブロンクス、アルゴンキンはマンハッタンに相当する。リバティーシティの西側に隣接する島はリバティーシティとは別の州として存在するオルダニーという地域であり、これはニューヨーク州に隣接するニュージャージー州を元にしている。冒頭では島の間に架けられている橋はテロ対策により封鎖されているが、後にその封鎖は解除されプレイヤーは自由に街中を行き来できるようになる。
リバティーシティには多くのパロディが取り入れられており、地区名のホーヴ・ビーチはブライトンビーチをモデルにし、名前の由来はイングランドにある地域ブライトン・アンド・ホーヴからきている。またアルゴンクインとオルダニーを結ぶブーストンネルはリンカーン・トンネルをモデルにしており、名前は第16代アメリカ大統領のエイブラハム・リンカーンを暗殺したジョン・ウィルクス・ブースにちなんでいる。
システム上の特徴[]
本作は過去のシリーズ作と比べ、システム面でかなりの変更が加えられた。以下特徴的なものを記述する。
ゲーム進行における特徴[]
- 主人公は、ストーリーの進行により隠れ家を転々とすることになる。購入はできない。
- 携帯電話に通話をはじめとする様々な機能が盛り込まれており、ストーリー上の重要な要素のひとつとなっている。登場人物に電話をかけることによって(サブ)ミッションやアクティヴィティを発動させることができる。また今作では特定の電話番号を入力することでチートの効果が出るようになっている(一度出現させたチート項目はメニューのチートから選べる)。
- ネットカフェなどに設置されたパソコンから接続できる仮想のインターネットが存在し、ウェブサイトを閲覧したり、メールに返信する事によってミッションを受けたりすることができる。
- 警察のホストコンピューターが存在し、パトカーからアクセスしてミッションを実行することができる。この中には指名手配犯を名前で検索することができる機能が存在し、ゲーム中に登場するキャラクターの多くが登録されている。
- 一部のミッションは一度失敗するなどしてリトライすると、キャラクターの会話が一度目と異なる。ロードを行なうことによって再度ミッションを受けると、リトライでなくとも一部の台詞が若干異なることがある。
- 一部のミッションでは、敵となる人物の運命をプレイヤーが選択する場面が存在する。生かしておいた場合は、友人になったり、後の場面で敵として再登場することがある。
- 指名手配システムが一新された。GTAシリーズとしては初めてレベル1よりも高い手配度を塗装屋を利用しなくても消すことができるようになり、これには警官の視界・包囲網が重要な要素となっている。
- 素手や近接格闘武器による攻撃は、防弾チョッキ着用の有無に関わらず直接体力にダメージを与えるようになった。
- 銃撃戦におけるカバーアクションが採用された。主人公はもちろんのこと、その仲間や警察、敵達のほぼ全てがこのカバーアクションを使用することによって、銃撃戦がこれまでのシリーズに比べて激しく、高度なものへと変わった。同時に武器の集弾性が重要視されるようになっている。
- シリーズで初めてオートセーブ機能が備わった。ミッションをクリアすると自動的にセーブされる。オプションでオフにすることが可能。
- シリーズで初めてマルチエンディングが採用されている。
- シリーズ恒例の消防ミッションと救急ミッションは廃止されている。消防車・救急車に乗ることはできる。
- PS3版にはモーションセンサーを活用した操作をすることができる。
主人公操作における特徴[]
- 服装の自由度は、前作『GTASA』より少なくなった。
- 体型や髪型をプレイヤーの行動によって変えることは出来ない。
- 車からのドライブバイがほぼ全方向に打てるようになった(前作までは車は真横、バイク等は前・真横にしか撃てなかった)。ドライブバイに使用できる武器として新たに手榴弾が加わったこともあり、カーチェイス時の銃撃戦がより一層激しいものとなった。
- フレンドとのアクティビティを実行中に酒屋、バー等に入ると飲酒した状態になる。歩行中や乗車中は視界性と操作性が著しく悪化し、飲酒運転が警察に見つかると手配度が上がる。アメリカではMADDがこの問題を指摘、販売レーティングを変更するように要請している。
乗り物における特徴[]
- 本作からはプレイヤーによる車両の運転技術の要求が格段と上昇し、それに比例して車両がより高度な挙動を示す様になった。
- ほとんどの駐車してあるものは鍵がかかっているので、盗難をする際には肘や足でガラスを割り、内鍵からドアを開けて盗むというモーションが追加された。
- 乗り物の特徴
- 自動車、ボート、ヘリコプターなど、全ての乗り物のディテールがリアルになった。
- 登場車両は全て架空のものだが、外見は実車をベースとしたものが多数存在する。
- 殆どの自動車にはABSが搭載され、ブレーキの使い勝手が向上した。
- GTAシリーズとしては初めてタクシーに客として乗れるようになっており、道路沿いであればどこへでも行くことができる。
- 本作からグローバル・ポジショニング・システム(GPS)が実装され、ミッションなどで車両に乗車するとレーダーに道順が表示されるようになった。またポーズメニューから目的地を設定すれば同システムが作動する。
- 車両の保管は車庫に代わって路上のパーキングエリアで行う。スペースはすべて一律2台まで駐車可能となっている。
- 乗り物の損傷による特徴
- 物理エンジンが一新されたことで、衝突時の車両のダメージがよりリアルになった。
- 銃撃を受けると、窓は被弾した場所を中心に蜘蛛の巣状のヒビが入り、車体には穴が開くようになっている。
- タイヤをパンクさせた状態でしばらく走行すると、バーストしてホイールだけになる。
- 転覆・横転しても、従来のように爆発はしない。
- 破損の部位や度合いによってはホイールハウスがタイヤを巻き込み、回転しなくなることがある。
- 猛スピードで障害物にぶつかると、主人公がフロントガラスを突き破って車外に放り出される。同上に停車及び同進路走行中、対面走行中の車に衝突すると、相手の運転手が同じように放り出されたり、ハンドルに頭をぶつけて死亡する事がある。稀に乗っていた市民に火が点くこともある。
- エンジン部分を激しく損傷すると、エンジンがかからなくなることがある(一般車は前輪駆動や後輪駆動#フロントエンジン・リアドライブ方式が多いので主に前部分、スポーツカー等は後輪駆動#ミッドシップエンジン・リアドライブ方式が多いので主に後ろ部分)。
- その他
- 車両は改造や、SAで存在したトレーラーの牽引等はできない。しかし同車両でも細かい仕様の違いがある。特定のミッションで登場するレアカラーのものも存在する。
- 列車や飛行機を操作できなくなった。またシリーズ恒例の戦車やSAに登場した自転車は登場しない。
武器における特徴[]
武器の種類は大幅に減り、シンプルなものになった。
- 近接格闘武器
- 素手
- ナイフ - SAに登場したステルスキルは存在しない。
- バット - 一発の威力はナイフと同等で攻撃の動作もナイフと比べると遅いが、車のガラス等を割ることができ、また横振りを頭部に当てるとヘッドショットと同じく一撃で敵を倒せるのが特徴。
- ハンドガン - 最大所持弾数は1500発。ストーリーの序盤において敵が装備している事が多いが、終盤からは殆ど使用されることがない。
- ピストル - モデルはグロック17で、警官や序盤からの敵が装備している。装弾数は17発。
- 軍用ピストル - モデルはIMI デザートイーグルで、中盤からの敵が装備している。装弾数は9発。
- サブマシンガン - 最大所持弾数は1200発。ドライブバイで使用することができる。武器を満足に持てない序盤ではショットガンと並んで脅威となる。
- マイクロSMG - モデルはIMI マイクロウージーで、序盤から中盤までの敵が装備している。装弾数は50発。
- SMG - モデルはMP5のコピー品のSW MP10で、NOOSEやFIB、中盤からの敵が装備している。装弾数は30発。
- アサルトライフル - ズーム機能が高く、威力も高いが最大所持弾数は600発と少ない。しかし中盤から登場する敵の多くが装備しているので、弾薬には困らない。
- アサルトライフル - モデルはAK-47で、ミッションでの仲間や序盤の敵が装備している。装弾数は30発。
- カービンライフル - モデルはコルトM4A1で、一部警官、NOOSEやFIB、中盤からの敵が装備している。装弾数は30発。
- ショットガン - 最大所持弾数は80発。近距離での攻撃に重宝する。パトカーに乗車すると5発分を入手することができる。
- ポンプ式ショットガン - モデルはイサカM37ステークアウトモデルで、警察や序盤の敵が装備している。装弾数は8発。
- 軍用ショットガン - モデルはレミントンM11-87で、中盤からの敵が装備している。連射が利くが威力はポンプ式より低い。装弾数は10発。
- スナイパーライフル - 最大所持弾数は50発。アサルトライフルでも届かない超遠距離にいる敵に有効。
- ボルトアクション式スナイパーライフル - モデルはレミントンM700の派生レミントンSR-8で、警察ミッションの敵が装備している。装弾数は5発。
- 軍用セミオートスナイパーライフル - モデルはPSG-1で、警察の狙撃部隊が装備している。装弾数は10発。
- 重火器 - 最大所持弾数は8発。1発撃ちきりの為、1発ごとにリロードが必要。
- RPG - モデルはRPG7で、あるミッションのムービーシーンで敵が装備している。
- 投擲武器 - 最大所持可能数は全て25個。ドライブバイで使用することが可能。
- 手榴弾 - 破片手榴弾ではなく、爆風で殺傷するタイプ。中盤からの敵が稀に装備している。
- 火炎瓶 - 今作では火が地面から燃え移るようになった。
一般人における特徴[]
『GTA』シリーズに必ず登場する一般人は、本作でこれまでのシリーズに比べてその動きが多彩になった。
- 顔・表情のグラフィックが向上し、主人公が一般人に対する行動で一般人の表情が変わることがある。
- ゲームの物理エンジンが一新されたことにより歩行/走行によって体が触れると相手が反応し、文句を言いながらよろめいたり、転倒する。警察官を押し倒すと手配度が1になる。
- 攻撃(体当たり/打撃)や銃による脅しの反応も多様化した。女性の場合、売春婦を除いてはほとんど逃げ出すようになっている。男性の場合、柄の悪い者は体当たりを受けると付いてくることがある。銃で脅すと、銃を所持している者は反撃を開始するが、所持していなくとも逃げようとせずに睨みをきかせる者もいる。
- 飲み物やバッグ、書類などを持ち歩く者が現れ、体に当たるとそれを落とす。駅のホームなどではアルトサックスを吹くものがおり、指定のボタンで金を与えることができる。
- 何か犯罪を侵し、現行犯逮捕され警察車両で署へ連行される者がいる。これまでのシリーズでは警察官は犯罪者を殺害するまで追いかけたが、本作でこのシステムは変更された。
- 1人で、辺りに聴こえるほどの大声で喋ったり主張をする者がいる。殺害しても、しばらく時間が経つと一定の場所に再び現れる。
- ニコが一般人の運転する車の上に乗歩すると、文句を言ってクラクションを鳴らしたり、車を動かして落としのけようとする。パトカーに乗ると手配度が2になる。
- ホームレスが登場した。夜になると人目につかない場所でドラム缶に火を起こし、仲間と共に寒さをしのいでいる。また、ニコに金を求めやってくる者もおり、指定のボタンでいくらかの金を与えることができる。
- 夜になると、シリーズ恒例の売春婦が現れる。車に乗って彼女達の近くでクラクションを鳴らすと、車の前で妖しい踊りを始める。指定のボタンで乗せ人気の無い所へ行くと3種類のサービスから1つを選んで受けることができる。金額はそれぞれ異なっており、カメラアングルが制限されなくなった。これはGTAシリーズで初となる。
店における特徴[]
『SA』で可能になったファストフード店やホットドッグの屋台での食事やストリップクラブのシステムも、本作ではシステムに変更がなされている。
- ファストフード店や洋服屋、ストリップクラブなど、いずれも入店はドアを開けてそのまま行える(ロードがなくなった)。
- ファストフード店ではメニューを選ぶことが出来なくなった代わりに、店舗によって食べ物の種類が異なる。
- 屋台はホットドッグやナッツ、ハンバーガーの3種類に増えた。屋台や売主を攻撃すると販売をしてもらえなくなり、屋台へ車で突っ込むと爆発することがある。
- ストリップクラブではプライベートルームについて変更がなされた。あらかじめ店内をストリッパーが歩いており、近づくと話しかけられ指定のボタンでプライベートルームへ案内される。またサービスを受けている間はニコやストリッパーが喋るようになっている。ポールを使って踊っている者に対して金を与え、踊りを変更させることは出来なくなった。