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グランド・セフト・オートシリーズ

グランド・セフト・オート』(Grand Theft Auto、略称:GTAジーティーエー)とはアメリカのゲーム制作会社・Rockstar Gamesが発売したコンピューターゲームのシリーズである。車を盗んで街中を走り回るなど、犯罪・殺人を中心にした自由度の高さが特徴である。このゲーム発売後、このようなゲームスタイルのクライムアクションゲーム(『Mafia』『DRIV3R』『True Crime』『25 To Life』『Saints Row』『Just Cause』など)が多々販売されている。

概要[]

「殺られる前に殺せ!」 これがこのゲームで生き残る手段だ

ゲームタイトルは直訳すれば「車両窃盗」といった意味(よく“偉大なる”と誤訳されるが、Grand Theft=重窃盗という意味であり“偉大なる”という意味は含まない)であるが、シリーズでは車に限らず陸海空の様々な「乗り物」がミッションにフィーチャリングされている。非常に自由度が高いことで好評だがその内容が生き残るためなら誰彼構わず巻き添えにする事も可能であるため、暴力的過ぎるという批判も強い。

他のクライムアクションゲームに比べてノンプレイヤーキャラクター(以下略:NPC)の行動やしぐさが人間的である。例えば『MAFIA』や『DRIV3R』といったクライムアクションゲームのNPCはただひたすら歩道を歩く人形のようなものだが、『GTA:SA』では主人公が魅力ある服装だとNPCから通りがかりに話しかけられたり誉めてくれたり逆にからかわれたりする。それ以外にもNPC同士が会話していたり、警官に反抗的なものがいたりとさまざまで他のクライムアクションゲームには無いNPCの人間描写がある。この人間的なNPCの行動はプレーヤーがゲーム内で無差別殺人を起こそうとする気を少なくすることにも貢献している。

シリーズの多くは序盤(またはオープニングシーンまで)仲間だったキャラクターが後々裏切りプレイヤーと敵対する関係になるといった、モチーフとしているマフィア・ギャング映画に近いストーリーとなっている。またいずれの作品もゲームの性質上、主人公が人生のどん底から再起し這い上がって頂点に立つといったストーリー展開が多い。プレイヤーは決められたミッションをこなしてゲームを進めることになるが、ミッションは失敗してもそのまま最初からやり直せる。殺人・犯罪をすると、手配度(星)が増え、警察がプレーヤーを捕まえに来る(警官・警官が乗っているパトカーの近くで犯罪をするのも同様)。手配度が上がるにつれ、ヘリコプターや戦車が攻撃してくる。(シリーズによっては出ない。)ライフがなくなって意識を失ったり、警察に捕まったりすると、武器を没収され、最寄りの警察署や病院から再スタートしなければならない。

PC版では、個人などが作った非公式なMOD(コンピューターゲーム)と呼ばれる改造ファイルまたは改造プログラムによりフェラーリやポルシェと言った実在の車のモデルの追加・建造物・シナリオなどの改造を行う事が出来、アメリカをはじめ全世界で流行している。またPC版では有志が製作したオンラインプレイ用のクライアントソフトが作られていて、海外のサイト等からダウンロードする事でプレイ可能である(現在の主流は「GTA Rumble」及び「San Andreas Multiplayer」(SA:MP)である。ただしラグが生じ易いようである)。ただし、これらは正規のものではなくあくまで改造プログラムである。全米で問題となった改造プログラムもある。詳しくは下記参照。

本作のパロディとして、GTAのゲーム画面風なCGアニメによるコカコーラのCMが流された。CMはGTAの暴力的なイメージをまるっきり逆にしたピースフルな内容である。

シリーズ[]

グランド・セフト・オート[]

同シリーズ第1作。1997年10月、北米で発売。見下ろし型ドライブゲームの形態を持ちながらギャング組織のチンピラ(ストリートギャング)がボスに指示をもらい、ミッション(犯罪)を実行するという内容。日本ではPC版と、1998年にプレイステーション版が発売された。従来にない犯罪的な内容で一部の注目を集めると共に、その暴力性が問題視された。

グランド・セフト・オート ロンドン 1969[]

Grand Theft Auto: London 1969は、『GTA』の追加パック。舞台を1969年のロンドンとし、当時の欧州車が登場する。そして、ロンドンの町での暴力などが多発している。

グランド・セフト・オート ロンドン 1961[]

Grand Theft Auto: London 1961は、『GTA』の追加パック第2弾。

グランド・セフト・オート 2[]

1999年10月発売。PC向けの製作で2D(x,y軸)。前作からの大きな変更点は「信頼度」の導入であり、これは各面ごとに3つの犯罪組織が対立しておりある組織に気に入られるとより報酬の高い仕事をもらえるが、その代わり敵対する別の組織から報復を受けるというものである。このため高い自由度に加えて、常に各組織の顔色をうかがいながらゲームを進めていくという戦略性が加わった。またアメリカが舞台だった前作に比べて「財閥」や「ヤクザ」という組織名や「アサクサ」「ヒロシマ」のような地名、日本語流れるラジオなど妙に日本を意識した作りとなっている。さらに最大手配レベルが4から6になった。犯罪を起こしすぎると厳しいペナルティがさらに厳しくなるのである。シリーズで唯一ドリームキャスト版が発売された作品でもある。 なお、Rockstar Gamesの英語版サイトでこのゲーム(英語表記)がフリーソフトでダウンロード可能である。

グランド・セフト・オート III[]

当初プレイステーション2で発売され、後にPCやXboxに移植され世界中で八百万本規模の大ヒットを遂げる(公式には800万本と称される)。日本でも2003年秋にカプコンよりコンピュータエンターテインメントレーティング機構、レイティング18歳以上対象ソフトとしてプレイステーション2版が発売され、海外ゲームとしては異例の30万本ヒットを記録。架空の街「リバティーシティ」を構築し、自由にシミュレーションすることが人気を得た。同時に暴力描写、特にチートを使用し体がバラバラになる描写が話題となり青少年による暴力や無差別殺人事件を誘発したとして批判され、神奈川県で有害図書に認定される。2004年12月16日にカプコンから廉価版がプレイステーション2用として発売された。本作の主人公はクロード・スピード

グランド・セフト・オート・バイスシティ[]

グランド・セフト・オート IIIシリーズ第2弾。2004年5月にプレイステーション2で発売された。その後に、PC版にも移植した。また、同国では前作グランド・セフト・オート IIIをカップリングした徳用パック『グランドセフトオート ダブルパック』がXboxとプレイステーション2向けに発売された。アル・パチーノ主演のバイオレンス映画『スカーフェイス』、及び80年代を代表するマイアミが舞台のドラマ、『マイアミバイス』の強い影響を受けて作られた。本作の主人公はトミー・ベルセッティ

グランド・セフト・オート・サンアンドレアス[]

グランド・セフト・オートIIIシリーズ第3弾。日本版は不適切なシーン等を一部カットした上で2007年1月25日発売(18歳未満購入禁止)。都営バスに同作品のラッピング車が走っている。2007年7月12日には、カプコンより廉価版が発売された。舞台は1992年のアメリカ西海岸の架空の州、サンアンドレアス。州の中にはLos SantosSan FierroLas Venturasの3つの都市がある。サンアンドレアスとはモチーフとなっているロサンゼルス、サンフランシスコ、ラスベガスの都市を並行して走っているサンアンドレアス断層から来ていると思われる。本作の主人公はカール・ジョンソン。なお、PS2日本語版では問題のシーン以外の残酷描写等も(倒れている相手の上に乗り殴ったり、狙撃したとき首が飛ぶ描写など)大幅にカットされた。

グランド・セフト・オート・アドバンス[]

グランド・セフト・オートIIIシリーズの第4弾で、GTA初のゲームボーイアドバンス版。舞台はGTAIIIに登場した「リバティーシティ」でGTAIIIの1年前の話となっている。視点は初代GTA及びGTA2と同じ見下ろし型。日本では発売されなかった。何度か発売延期になったあと、発売されたことでも有名。

グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ[]

グランド・セフト・オートIIIシリーズ第5弾で、グランド・セフト・オートシリーズ初のプレイステーションポータブル版。2007年7月26日にPSPの日本版が発売され、2007年9月6日にPS2の日本版も発売された。今作は『GTA3』の約3年前の1998年を舞台にし本作の主人公は同ゲームに登場したレオーネ・ギャングの一員、トニー・シプリアーニ

グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ[]

グランド・セフト・オートIIIシリーズ第6弾、2007年12月6日にPSP、PS2の両方が発売された(日本語版限定ではあるもののシリーズ初のダブルプラットフォームでもある)。今回の作品はグロテスクが少ない。GTAシリーズ初の実在の有名人フィル・コリンズが登場したことでも有名。 『GTAVC』の2年前にあたる1984年のバイスシティが舞台。本作の主人公はランス・ヴァンスの兄で『GTAVC』のオープニングでの薬物取引で登場したヴィクター・ヴァンス

グランド・セフト・オートIV[]

PS3版Xbox360版ともに2008年10月30日に発売。2008年のリバティーシティが舞台で主人公は旧ユーゴスラビア人男性のニコ・ベリック。GTAシリーズで初めてマルチエンディングを採用した作品でもある。

グランド・セフト・オート・チャイナタウンウォーズ[]

グランド・セフト・オートIVシリーズ第1弾。2010年3月11日に発売された。システムはGTA4と同じであるが、2作目以前の作品やアドバンス版と同様の見下ろし型の視点である。デフォルメされながらも3DCGで描かれたリバティーシティー(GTAIV版)が舞台だが、オルダニーが登場しない等の差異がある。主人公は中国系ギャングのトライアドに所属するホァン・リー。DS版は2009年10月29日にサイバーフロントにて発売されたが、DS用のソフトとして初めて18才以上のみ対象に区分される作品となる。

グランド・セフト・オートV[]

2013年10月10日にXbox360とPS3版で発売されるシリーズ第5弾。シリーズで初めて主人公が複数いるゲームであり、ミッション中にそれらを切り替えて進行する場面もあれば、複数の主人公が合流して娯楽を楽しむことも可能となっている。舞台はロサンジェルスをモデルにした架空都市ロスサントスその周辺。ハードウェア性能の進化でこれまでのタイトルより画質や緻密さが格段に上がり、爆発といった表現もあちこちで多用され、ベスプッチ・ビーチの周辺など現実のモデルと見分けがつかないほど細かに再現されている場所もある。

グランド・セフト・オート・オンライン[]

GTA Vの発売とほぼ同時に解禁された、マルチプレイヤー対応のオンラインモード。マップや武器等はほぼ全てGTA Vと同様であり、プレイヤーは自身の分身となるキャラクターを作成し、オンライン上の様々なプレイヤーとフリーセッションで交流したり、強盗といったミッションで協力しあい、他には敵対/対戦モードで対戦することなどができる。2022年9月現在はPS3/Xbox 360版でのサービスが終了していて、PS4 / Xbox One / PS5 / Xbox Series X/S / PCでのみプレイ可能。各プラットフォーム(バージョン)間のクロスプレイはできず、日本向けコンソール版は規制の都合上日本専用の隔離サーバーとなっている。PC版は(一部ゲーム内マネー関係除き)規制がないため、世界中のプレイヤーとマッチングできる。

本作に関係する事件・問題[]

日本やアメリカでは青少年が凶悪事件を起こすとその都度本作のような暴力的ゲームの影響を取り沙汰し、バッシングの対象とすることが多い。事実、ヒラリー・クリントンは本作品のような暴力・性描写を含むゲームに対する法的規制に賛同している。

訴訟[]

米国では2003年6月7日、このソフトを熱心にプレイしていた少年が警察署で警官など数人に発砲してパトカーを奪うという事件が起きその後被害者遺族からメーカーと販売店に対して民事訴訟が起こされた。

有害図書とCEROへの影響[]

神奈川県は2005年6月7日、大手ゲームメーカー「カプコン」が販売するプレイステーション2版『グランド・セフト・オート III』に残虐な内容が含まれているとして神奈川県青少年保護育成条例の「有害図書」に指定した。5月30日の県児童福祉審議会で、「有害」指定すべきとの答申が出たことを受けて7日付の県公報で告示した。

同条例に基づきこのソフトは18歳未満への販売が禁止されるとともに店頭での一般ソフトとの区分陳列が義務づけられるようになり、違反者には30万円の罰金が科せられる。また神奈川県に続き石川県、埼玉県、大阪府も有害図書に指定した。さらに7月14日に開かれた全国知事会議で全都道府県(長野県の一部を除く)で有害図書に指定された。

この有害図書への指定とその原因とされた一連の出来事を機に、コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)は旧区分で「18歳以上対象」とされていたソフトを「CEROレーティング18才以上のみ対象ソフト」と「CEROレーティング17才以上対象ソフトの一覧」の2区分へ変更するようレーティング制度を改めるとともに各都道府県の青少年保護育成条例において「Z」区分と審査されたソフトを全て有害図書へ指定するようになった(GTA3以降のシリーズも全て「Z」区分となったため、ほとんどのシリーズが有害図書扱いとされることになった)。

性的シーン問題[]

暴力的なゲームを非難しているアメリカの団体・NIMF(全米家族メディア研究所)が『Grand Theft Auto: San Andreas』にはインターネットでダウンロードできるHotCoffeeと呼ばれるMod (コンピューターゲーム)を導入することで性的なシーンが見られるとして批判声明を発表(このHotCoffeeはSan Andreasに元々からプログラムされていた当該シーンのロックを解除すると言うプログラム)。

Rockstar Games側は「ゲーム製作者側が意図したものでは無い」と反論したものの2005年7月14日、米上院議員(当時)ヒラリー・クリントンは連邦取引委員会に調査要求を出した。7月20日には同ゲームのエンターテインメントソフトウェアレイティング委員会のレーティングを「Mature」(M:17歳以上向け)から「Adults Only」(AO:18禁のソフト)へと引き上げられることになった。

その後性的シーンを無効にする(幾つかのバグフィックスも含む)パッチがリリースされた。また流通されているソフトは一旦全て回収を行い、レーティングがAdultsOnlyに該当する要素を削除したバージョンとして再出荷されている。

2007年11月8日、テイクツーインタラクティブとRockstar Gamesを相手に損害賠償を求め2006年に起こされた集団訴訟の和解が成立した。被告側は原告に対し一人当たり35ドルを返還し、賠償総額は102万5000ドル~275万ドルになると見られている。

脚注・出典[]


外部リンク[]

el:Grand Theft Auto fa:Grand Theft Auto

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